商標・知財コラム 商標調査のスペシャリストのインターマークから、商標・知財コラムをご紹介
有名な杜氏さんの、氏名の使用を巡る闘い
■ 富山の居酒屋で
先日、北陸へ旅行しました。富山では、路面電車とガラス美術館(熊研吾さんデザインの木材を多用した開放感に溢れる建物)を楽しんだ後、知人に教わった居酒屋で一献。
日本酒の瓶がずらりと並び、かなりお年を召した主のお勧めで五勺ずつ提供してもらえます。BGMは落語。富山のお酒を何種か味わった後、石川県のお酒ですが好みの「菊姫・山廃」があったので所望し、主と雑談していると、菊姫で山廃を復活させた杜氏の農口(のぐち)さんは、裁判を起こしたり大変だったようだ、というお話し。
■ 農口さんの裁判
家に帰り検索してみると、判例検索で商標法51条の適用を争う審決取消訴訟(令和2年(行ケ)10050号)が見つかりました。さらにGoogleで検索すると、2021年に損害賠償請求事件の判決(金沢地裁)があった模様ですが、判決データベースで見付けることはできず。以下に、審決取消訴訟を紹介し、最後に損害賠償訴訟に触れたいと思います。

弁理士法人レガート知財事務所 弁理士
峯 唯夫 先生
主な経歴
1986年峯特許事務所開設、2011年特許業務法人レガート知財事務所に改組。
商標実務は「安全な使用」「ブランド価値の保護」の側面から、調査、使用方法の検討やアドバイスなどを含めたサービスを提供。
これまでに、商標委員会委員、特許委員会委員、意匠委員会委員(90年、13年委員長)、中央知的財産研究所研究員、新人研修講師(意匠担当)、
(財)知的財産研究所タイプフェイス委員会委員、特許庁意匠課「意匠ラウンドテーブル」委員、(財)生活用品振興センターデザイン保全登録審査委員、産業構造審議会意匠小委員会委員、中央大学法学部講師、日本商標協会副会長、等を歴任。
著作権法学会会員、デザインと法協会会長
主な著書
「サービスマーク」(有斐閣、共著)、「商標の法律相談」(青林書院、共著)、「不正競争の法律相談」(青林書院、共著)、「商標・意匠・不正競争」(青林書院)、「判例百選」(有斐閣)、「意匠法コンメンタール」(レクシス・ネクシス 編著)、「ゼミナール意匠法」(法学書院)、「設計図の保護」(パテント)、「私と大学との関わり」(パテント)、「デザイン保護雑感(デザイン産業の視点から)」(パテント)、「デザインによる知的資産経営」(発明・連載)をはじめとする専門誌の執筆・寄稿などの実績も多数。
現在の所属
弁理士法人レガート知財事務所