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コーポレートガバナンス
GovernanceQ【ガバナンス時評#1】なぜ今、ガバナンスを議論しなければならないのか?
2023.09.11

自動車保険の保険料水増しなど数々の疑惑が報じられている、中古車販売大手のビッグモーター。コロナワクチン接種業務にかかる委託費の過大請求で社長が辞任に追い込まれた、大手旅行代理店の近畿日本ツーリスト。そして学生の大麻・覚醒剤所持が発覚した超マンモス校の、日本大学……。
この3カ月余りの間でも、企業や大学といった大組織による不祥事が相次いでいる。いずれも記者会見を開き、なぜこうした事態に至ったか、今後、どのように改善していくかなどを責任ある立場の人間が(時に弁解がましく)語っているが、こうした不祥事で必ず問われるのが「ガバナンス」である。
今回、「Governance Q」編集部からの依頼により、その時々の大組織をめぐる時事問題(多くは企業不祥事などの問題になろうが)を取り上げながら、「ガバナンス」という視座で私なりの見方を発信する機会を得た。そこでまずは「ガバナンスとは何なのか?」「なぜ会計・監査の研究者である私がガバナンスを語っているのか?」から説明し、連載の補助線を引いてみたい。