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2023.07.26知財調査
【商標・知財コラム】音の商標「HI・SA・MI・TSU」 一橋大学 名誉教授・弁護士 土肥 一史先生

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 わが国の商標法には他国の制度にはない特徴がある。たとえば、わが国で商標登録が認められるためには、文字、図形、記号、立体的形状、色彩とこれらの結合した標章でなければならない。これら以外に音も認められているが、音の標章の場合、結合形式は許されない(商標法2条1項本文)。これに対し、欧州各国の商標制度ではもちろん、TRIPS15条では、標章のタイプに限定がなく、日本と異なり、例示されるにとまる。TRIPSでは音が例示されていないが、限定列挙ではないので、商品・役務を識別できる標識でありさえすれば、商標登録が可能なので問題はない。また、欧州の商標制度やTRIPSでは、「単語(人名を含む)」が標識のタイプの1つとして例示されているが、日本の商標法ではどうしたことか限定列挙には含まれていない。

 音商標には音楽的要素のみからなる音商標と、音楽的要素のみからではない音商標があるらしい。前者には、大幸薬品のラッパ音や、インテル及びBMWのものがあげられている。これらに対し、日本の音商標としてよく知られている「HI・SA・MI・TSU」は、後者に属するようだ(平成29年9月26日.特許庁HP)。


一橋大学 名誉教授・弁護士


土肥 一史 先生

主な経歴

1975年-1999年福岡大学 法学部 常勤講師、助教授、教授
1982年-1984年, 1989年マックス・プランク国際知的財産法研究所 客員研究員、
自由共同研究員
1999年-2010年一橋大学 大学院国際企業戦略研究科 教授
2010年-2016年日本大学 大学院知的財産研究科 教授
2017年-2022年吉備国際大学 大学院知的財産学研究科 特任教授
2018年-2021年公益社団法人 日本複製権センター 代表理事 理事長
2020年-現在一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会
代表理事・理事長
2020年-現在公益社団法人 著作権情報センター付属著作権研究所
所長

これまでに

日本工業所有権法学会 理事、常務理事、理事長、名誉会員
著作権法学会 理事
文化審議会 委員、著作権分科会 会長
産業構造審議会 臨時委員、商標制度小委員会 委員長
産業構造審議会 臨時委員 (知的財産分科会)(通商政策部会)(知的財産政策部会)
農業資材審議会 委員、食料・農業・農村政策審議会 臨時委員
等を歴任

主な受章・受賞

平成22年10月 知財功労賞(経済産業大臣表彰)

主な著書・翻訳書

知的財産法入門[初版~第15版](中央経済社)
商標法の研究(中央経済社)
演習ノート知的財産法[初版~第3版](法学書院)
ケーブル放送と著作権(信山社出版)

現在の所属

大本総合法律事務所

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