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DQトピックス

 
内部通報

DQグループ初のシンポジウム【内部通報最前線】 〜グローバル化への具体的対応。ASEANから見た法規制の動向〜

2019.09.12

    8月23日(金)、ディー・クエスト主催の初のシンポジウムを開催いたしました。
    70社を超える企業が参加、全てのプログラムでおよそ90%以上の方々から「活用できる・参考になる」と高い評価をいただきました。

    本講演では「内部通報制度をどのようにグローバル対応させるか」といった課題に焦点を当て、国内外における内部通報の最前線情報や要望の高いASEAN諸国の個人情報保護法制の現状や今後の動向について、各方面でご活躍中の専門家の方々にご登壇いただきました。


    【基調講演】八田 進二 氏 『不正問題と内部通報 ーその光と影ー』

    青山学院大学名誉教授として、また日本公認不正検査士協会【ACFE JAPAN】の評議員会の会長として内部統制の分野でご活躍されている八田進二氏には、基調講演として『不正問題と内部統制ーその光と影ー』を題材にご登壇いただきました。
    内部通報制度は、企業不正や不祥事を発見する最も効果的なリスクマネジメント手法として定着しています。組織の内部統制の整備・運用に有効であり、健全な組織運営に不可欠とされる内部通報制度ですが、基調講演ではこの制度にまつわる「光と影」について、さらにはその「影を払拭する対策」について語っていただきました。

    八田 進二氏

    日本公認不正検査士協会 評議員会 会長
    博士 (プロフェッショナル会計学)、公認不正検査士(CFE)

    青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科 教授を経て、青山学院大学 名誉教授。大原大学院大学 会計研究科 教授。日本監査研究学会 会長、日本内部統制研究学会 会長、会計大学院協会 理事長、金融庁 企業会計審議会 委員 (内部統制部会 部会長) 等を歴任。


    【特別講演】ハニム ハムザ 氏 『EUのGDPRとASEAN諸国への影響』

    ZICO Lawの地域担当弁護士で、ASEAN地域の法務のエキスパートであるハニム ハムザ氏には、特別公演として『EUのGDPRとASEAN諸国への影響』をテーマにご登壇いただきました。
    企業のコンプライアンス強化策のひとつである内部通報制度は、現在グローバルな制度として拡大・拡張しています。グローバルな内部通報制度を導入する上では、遵守すべき法規制が各国・各地域ごとに存在し、それらを踏まえた導入・運用が必須です。
    ハニム ハムザ氏には、こうしたグローバル化している不正への具体的対応策、ならびにASEAN地域の汚職防止法、腐敗防止法、個人情報保護法等の法律と規制および達成基準の最新動向について、ご講演いただきました。

    ハニム ハムザ氏

    ZICO 地域マネージングパートナー
    マラヤ高等裁判所の代理人および弁護士 イギリス、リンカーンズインの法廷弁護士

    ■■講演を終えたハニム氏のコメント■■
    DQシンポジウムは、2019年4月 のEU内部通報指令 がASEAN諸国の今後にどのような影響を及ぼすのかに特に焦点を当てるなど、時宜にかなった有益なものでした。シンポジウムには上級法律顧問、コンプライアンス顧問、リスク管理の責任者などが参加され、ASEAN各国における不正防止、データ保護、内部通報に関する法令の理解に熱心かつ積極的に取り組んでいました。タイムリーなこの時期に、このように洞察力に富んだ学びのプラットフォームを提供、主催しているDQを称賛したいと思います。

    ■■英語の原文■■
    “The DQ symposium was timely and informative – especially in light of the recent April 2019 European Directive on Whistleblower Protection, and how the Directive impacts ASEAN.  Attendees which consist of senior legal, compliance and risk executives were attentive and engaging.  They were keen to understand the nature of implementation and particularly, enforcement of ASEAN laws and regulations on the subject of Anti-Corruption, Data Privacy and Whistleblowing Rules.  I applaud DQ for being insightful to provide and host a good learning platform at such a timely occasion.”


    【特別講演】結城 大輔 氏『グローバル内部通報制度の最新動向』

    のぞみ総合法律事務所パートナー 弁護士であり、また一般社団法人 日本公認不正検査士協会理事として、企業法務・コンプライアンスの分野で広くご活躍されている結城大輔氏には、特別公演として『グローバル内部通報制度の最新動向』と題する内容でご登壇いただきました。
    日本企業の法務・コンプライアンス体制の現状、企業コンプライアンス・プログラムの評価、それらを踏まえた「機能するグローバル内部通報システム」の構築の重要性などについて、幅広く語っていただきました。

    結城 大輔氏

    のぞみ総合法律事務所 パートナー 弁護士 一般社団法人 日本公認不正検査士協会 理事ニューヨーク州弁護士 公認不正検査士

    ■■講演を終えた結城氏のコメント■■
    海外でのビジネスやM&Aをますます加速させる日本企業にとって、海外子会社のリスク管理は、ますます重要な課題となっています。特に、海外贈賄や国際カルテルによる、日本とは桁がいくつも違う莫大な罰金・制裁金、実刑判決による服役を考えたとき、日本の親会社・役員として、いかに早くこのような不正の兆候を把握して、的確な社内調査を行うか、そしてその予防に努めるかが勝負を分けています。

    この点、日本のみならず世界各国の企業不祥事に共通するのが、不正発見の第一の手段が「内部通報」であるというデータです。その一方で、通報を行うことにより何らかの不利益な取扱いを受けるのではないかといった懸念から、内部通報をためらう傾向は決して少なくなく、実際に大きな不祥事が発生した企業の多くでも、「内部通報制度の機能不全」が第三者委員会等によって指摘されています。

    日本企業がグローバル・コンプライアンスリスクに立ち向かう上で、海外子会社を含む「グローバル内部通報システム」を構築することこそ、喫緊の課題となっていますが、これは、米国や欧州その他のグローバル企業を見ても、まったく同様です。
    この取組みのためには、
    1 そもそもどのような通報体制を構築するか
      (各現地法人で対応するか、地域統括会社で対応するか、外部専門業者・法律事務所を活用するか等)
    2 個人情報・データの域外移転の論点をどうクリアするか
    3 調査を行う上でのリソース不足や、認識不足による通報者等への不利益な取扱いの問題をどう克服するか

    といった重要な論点がいくつも存在します。
    グローバルにビジネスを遂行していくのであれば、これらの論点に正面から向き合い、自らの会社に最も合う形の取組みを推進していくことが、極めて重要です。


    【株式会社ディー・クエスト】 代表取締役 脇山太介

    <内部通報のトップランナーとして>
    ディークエスト初の内部通報シンポジウムも、お陰様で無事に終えることができました。関係者を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
    2003年にスタートした内部通報のサービスも、すでに15年が過ぎ、ようやく内部通報制度は企業の内部統制の重要な役割を担う仕組みであるということが一般的になってきたことに関して、日本においてこのサービスを始めた一人として、とても感慨深いものがあります。
    国内の通報対応から端を発した当社の内部通報サービスも、企業のグローバルリスクに対する考えが深まる中、現在では海外拠点の通報対応へと、私どもの業務も発展してきております。
    現在、私共ディ―クエスト社では、海外の法律事務所とのパートナー契約も整い、世界17カ国の拠点でサービス展開が可能となり、各企業様の細かなご要望にも対応できる体制が整っております。
    今後もクライアント企業の皆様方に有益な情報をお届けできるように、同シンポジウムも第二回、第三回と続けていけるよう努力をしていまいります。

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