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コーポレートガバナンス
GovernanceQ【坂東眞理子×八田進二対談#2】坂東眞理子流「大学改革」の奥義
2023.09.29

どうして学校法人のガバナンス改革は進まないのか
八田進二 (#1から続く)ところで、坂東さんは昭和女子大学に理事で入られてから今年でまる20年ですね。そこで、大学のガバナンス改革についても、うかがわせてください。実は私、文部科学省の学校法人ガバナンス改革会議に有識者として呼ばれたことがありまして……。
坂東眞理子 よく存じ上げてますよ。先生方が出された改革案に私立大学がものすごく反発して大変だったとか。確か、社会福祉法人と同等のガバナンス機能を持たせるべきだとおっしゃって、理事会に権限が集中し過ぎているから、評議員会を最高監督決議機関にして、理事会や理事が評議員を選任したり解任したりできないようにすべき、といった案でしたよね?
八田 そうです。ある面では、日本大学の問題を受けてのガバナンス改革議論でしたから、理事長による不正を抑止する機能は必須だったはずなのです。そもそも監督される側が監督する人を選任したり解任したりできるなんて、おかしいです。我々は当たり前のことを言っただけのつもりでした。実際に、社会福祉法人ではもう実施されてるわけですから。でも、反発たるや、とにかくもの凄かった。私大連(日本私立大学連盟)から私大協(日本私立大学協会)、教職員組合に至るまでね。
坂東 先生方のご提案どおりにはならなかったですが、多少なりとも前進はしましたでしょ?
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