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コーポレートガバナンス
Governance Q【楽天証券・窪田真之氏インタビュー後編】「女性役員比率2030年30%」でも、管理職比率は低いまま?
2024.06.20

(前編から続く)少年野球のコーチを務めていた10年以上前から、「女性活躍」が 日本企業の避けては通れない重大課題になると直感していたという伝説の日本株ファンドマネージャー、窪田真之氏。インタビュー後編では、機関投資家の動き、コーポレートガバナンスなどの側面に加え、「2030年までに女性役員比率30%」の政府目標の実現性など、今後の 女性活躍の行方を聞いた――。
機関投資家の議決権行使に必要な「明確な根拠」
――キヤノンの今年の株主総会で、御手洗冨士夫会長兼社長の取締役選任議案の賛成率が前年2023年の50%割れ寸前から90%台に急上昇しました。前年はゼロだった女性取締役を今年(24年)は社外取締役で入れたためと言われています。株主、特に機関投資家の判断の振れ幅が大き過ぎるように見えます。
議決権行使はブラックボックスではありません。取締役選任案などの議決権行使について、投資顧問会社によっては、議決権行使の基準書をつくっているところがあります。「女性取締役が1人もいない場合は経営トップの再任に反対する」という基準を持っている運用会社が多かったから、キヤノンの場合、賛成比率が大きく変動したのだと思います。
投資顧問会社は、会社提案に反対するのも、賛成するのも“命がけ”です。賛成したら「どうして賛成した?」、反対したら「なぜ反対した?」と言われますから。だから、判断基準を明確にして、「この基準に従っている」って言えるようにしています。
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